by yamada-07
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二分法

「われわれは団結してテロに立ち向かう。これは文明社会のすべての人に対する攻撃である」


今回のロンドンでの爆破事件に際し、英のトニー・ブレア首相が表明した言葉です。


この破壊行為は決して許されるものではないという大前提がまずありきですが、それでも感じた違和感があります。


ブレア首相の言う「われわれ」って誰ですか?「文明社会のすべての人」って誰ですか?

9.11の時のブッシュ大統領の語り口も本質的に同様なものでしたが、これは「踏み絵」にほかなりません。

「お前は『われわれ』の中に入るのか、それとも外れるのか。
入るならそれでよし。もし外れるなら、お前もテロリストの一員とみなすぞ」と。

この言説は、まったき二項対立で存在していて、そこには味方と敵、「われわれ」とそれ以外しかいません。どちらにも属さない、いわば仲介をなしうる存在が認められていないのです。

どこの国、どこの人でも、無差別破壊行為を是とする人は、まずもっていません。しかし、その前提があってなお、国際情勢での各国の動向には、各々の国の状況に従って、意見が異なってしかるべきです。二項対立、Yes or Noで語るには複雑すぎるグラデーションが描かれるはずです。
しかし、この「踏み絵」にはそのような階調を許しません。文明社会に入るか、野蛮人になるかを迫るのみです。

ブレア首相やブッシュ大統領の言説は、それを発した瞬間に世界に味方と敵を生み出します。
より正確を期せば、同質集団をまず生み出し、それの存在と同時に、事後的に「敵」と呼びうる対立集団を存在させます。そして、そのツートンカラーで世界を塗り分けるのです。

私は、あえて「テロ」という言葉を使ってきませんでした。それは、「テロ(リスト)」とは、世界を敵と味方に二分した後に、「味方(つまりは自分方)」の方から見て初めて使える言葉だからです。「敵」にしてみれば、それは「テロ」などではなくあくまで抵抗、「レジスタンス」であり、自分たちはその闘士だと思っているはずです。

世界を二分法で切り分けることを自制することから始めなければ、「テロ」がなくなることはないでしょう。
越えようのない断絶に隔たれたその世界には、対話、理解などといったものはありません。あるのは敵対と根絶のみとなります。

そんな閉塞的な世界、「テロ」があろうとなかろうと真っ平ごめんですけどね。
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by yamada-07 | 2005-07-08 23:07 | 雑記