私のバイブル
2005年 05月 02日
数年前に購入して以来、何度となく読み返している私の愛読書を紹介いたします。
どすん。
「寝ながら学べる構造主義」
著:内田 樹(たつる)
出版:文春新書
これです。
内容は読んで字の如し、構造主義についての解説書です。
名前を耳に挟んでも、名前からはいまいち内容のつかめない思想潮流、構造主義。そんなちょっとこむずかしいものを、構造主義に関わった人物の思想、業績を軸にわかりやすく解説しています。具体的には、ソシュール、フーコー、レヴィ=ストロース、ロラン=バルト、ラカンの五人の思想の解説です。
で、ここでいきなりこんなことを言うのは気が引けるんですが、この本の肝は「構造主義の解説」ではないと思います(実際に、構造主義についての概説的な話はほとんどありません。
たぶん全部読み通した後に『で、構造主義ってなに?』という疑問がでると思います)。
この本の読みどころは、全編にわたって展開されている著者の知性への態度です。
複雑な話を単純化してしまうことへの自制、自分の知識に対する俯瞰的な視点の構築、自分の常識についての絶えざる疑いのまなざし……
彼自身が常に心がけていることが、文章の行間からにじみ出てくるかのようです。
著者は他にも武道論、映画論、レヴィナス論、エッセイなどを著していますが、内田樹の入門書としてはこれが最適だと思います。なぜなら、この本の元はとある市民講座での講義用ノート。哲学など全くわからない人にむけて作ったものです。つまり思想のことも著者(当時で言えば講師としてですが)のこともまるっきり知らない人のために作ったものなので、話の敷居がとっても低い。自分の言いたいことをなるべくわかってもらおうという意識にあふれています。
ちなみにこの著者、他の本、特にエッセイだと遥かに辛口なことを書いてます。その意味でも、初めての皆さんはこの本から内田樹に触れるのがよいかと。
上にも書きましたが、私はこの本を手にして以来、何度も何度も読み返しました。しょっちゅうカバンにいれて持ち歩いたために、表紙もいまやぼろぼろです。しかし、読み返すそのたびに、また新しい発見があります。いままで読んではいたけどなんとなくピンときていなかった箇所が、しばらく時間をおいて読んでみるとピンとくるのです。腑に落ちるのです。
良書とは、何度読んでもその度に再読に耐えうるような、そして新たな疑問を投げかけてくるような本だと思います。この本はまさにそれ。興味をもった方は一読をお勧めします。
そして、もし読んだ方は気づくでしょう。いままで私が「雑記」で書いてきたことは、相当この著者に影響を受けているということを。
ネタばれ注意って感じです。
なんか最後の方は、本と言うよりは内田樹という人の紹介になっちゃいましたね。ま、それでも別に問題はないです。山田でした。
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↓いつかお薦めの小説も書こうと思います。
どすん。
「寝ながら学べる構造主義」
著:内田 樹(たつる)
出版:文春新書
これです。
内容は読んで字の如し、構造主義についての解説書です。
名前を耳に挟んでも、名前からはいまいち内容のつかめない思想潮流、構造主義。そんなちょっとこむずかしいものを、構造主義に関わった人物の思想、業績を軸にわかりやすく解説しています。具体的には、ソシュール、フーコー、レヴィ=ストロース、ロラン=バルト、ラカンの五人の思想の解説です。
で、ここでいきなりこんなことを言うのは気が引けるんですが、この本の肝は「構造主義の解説」ではないと思います(実際に、構造主義についての概説的な話はほとんどありません。
たぶん全部読み通した後に『で、構造主義ってなに?』という疑問がでると思います)。
この本の読みどころは、全編にわたって展開されている著者の知性への態度です。
複雑な話を単純化してしまうことへの自制、自分の知識に対する俯瞰的な視点の構築、自分の常識についての絶えざる疑いのまなざし……
彼自身が常に心がけていることが、文章の行間からにじみ出てくるかのようです。
著者は他にも武道論、映画論、レヴィナス論、エッセイなどを著していますが、内田樹の入門書としてはこれが最適だと思います。なぜなら、この本の元はとある市民講座での講義用ノート。哲学など全くわからない人にむけて作ったものです。つまり思想のことも著者(当時で言えば講師としてですが)のこともまるっきり知らない人のために作ったものなので、話の敷居がとっても低い。自分の言いたいことをなるべくわかってもらおうという意識にあふれています。
ちなみにこの著者、他の本、特にエッセイだと遥かに辛口なことを書いてます。その意味でも、初めての皆さんはこの本から内田樹に触れるのがよいかと。
上にも書きましたが、私はこの本を手にして以来、何度も何度も読み返しました。しょっちゅうカバンにいれて持ち歩いたために、表紙もいまやぼろぼろです。しかし、読み返すそのたびに、また新しい発見があります。いままで読んではいたけどなんとなくピンときていなかった箇所が、しばらく時間をおいて読んでみるとピンとくるのです。腑に落ちるのです。
良書とは、何度読んでもその度に再読に耐えうるような、そして新たな疑問を投げかけてくるような本だと思います。この本はまさにそれ。興味をもった方は一読をお勧めします。
そして、もし読んだ方は気づくでしょう。いままで私が「雑記」で書いてきたことは、相当この著者に影響を受けているということを。
ネタばれ注意って感じです。
なんか最後の方は、本と言うよりは内田樹という人の紹介になっちゃいましたね。ま、それでも別に問題はないです。山田でした。
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↓いつかお薦めの小説も書こうと思います。
by yamada-07
| 2005-05-02 23:14
| 青春の一ページ