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by yamada-07
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岡目八目

この四文字熟語、「離れたところで(観戦者として)碁を打っているのを見ていると、八手先まで読める」転じて「第三者は当事者よりも情勢が客観的によく判断できるということ」というように言われています。
転じた後の意味はともかく、この元となった事柄には、実は別の説があるのです。

「岡目」は「傍から見ること」ではなく、元々は醜女をさす「おかめ(=おたふく)」を意味しています。
古来、美的感覚から逸脱した存在である「おかめ」には霊的な力が備わっているとされてきました。その能力は、

未来を見通す力(予知)
過去に起きたことを知る力(過去視)
離れた場所の様子を見る力(千里眼)

の三種類であるといわれています。
つまり、普通人のもつ一組の眼の他に、この三種の状況を見る眼が三組あるのです(もちろん霊的な力であるため、可視的な存在ではありませんが)。
もうおわかりでしょう、本来「岡目八目」という言葉は、この四組の眼、すなわち八つの眼がある「おかめ」は、普通の人より状況を見通す力に優れているということを言っているものなのです。
しかし、実際にそのような異能力者が醜女にいたことはあったのでしょうが、全ての「おかめ」がそうであったわけではありません。次第にその関連性に対する疑念が徐々に浸透し(さらに言えば、差別表現のさきがけの動きや、御舟千鶴子に対するバッシングの動きもあったために)、明治時代に入ると、もっと通りのいい現在のような話が出来あがりました。

明治生まれの人間には、今でもこの説の方が通りがいいのかもしれません。特に女性の方に使う場合は気をつけましょう。

ではまた。
by yamada-07 | 2005-12-30 01:40 | うそちく