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2005年 04月 22日
生物関係の本を紹介します。
1. the FUTURE is WILD ~脅威の進化を遂げた2億年後の生命世界 /著:ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス 出版:ダイヤモンド社
この本は、第一線で活躍する科学者たちが仮説に仮説を重ねて、これからの地球の環境の変化、それに伴う進化の一例をシミュレートし、500万年、1億年、2億年の時代ごとに、奇妙奇天烈に進化した生物たちをCGで描いたものです。
まず表紙からしてインパクト大ですよ。魚とも鳥ともつかない巨大でグロテスクな生物が海面から飛び立とうとしている絵ですから。
他にも本の中には、草原に生きる人間によく似た顔を持つサル、水中を泳ぐアザラシ大のウミウシ、地上に進出したタコ、史上最大の陸生動物となったカメ、地球上でもっとも頭のいい生物となったイカなどがいます(もちろん他にも多様な生物が描かれています)。
驚くべきは、これらのへんちくりんな、それこそ夢に出てきそうな、あるいは夢に出てきたら精神病を疑われかねないような生物たちが、一流の科学者たちによる生物進化の仮説から導き出されているということです。つまり、いかに馬鹿らしく思えるような姿かたち、生態などにも、合理的な説明がなされているのです。
無論のこと、これはあくまでシミュレーションの一例。バタフライ効果、カオス理論を挙げるでもなく、進化の方向性なんてなにで決まるかわかったものじゃありません。ある種の知的ゲームに近いものがありますが、生物関係に興味のある方にはとても面白い本だと思います。また、専門的な知識がなくても脚注がふんだんに使われているので、そのつど知識を固めながら読み進めていくことができます。
自分が決して見ることができない未来の世界を擬似的にでも見せてくれるこの本は、想像力ががしがし膨らんでいきますよ。ハードカバーでちょっと値が張りますが(ちなみに2400円)、それだけの価値はあると思います。興味を持って立ち読みしたら、ほしくなること請け合いです。
2. へんないきもの /著:早川いくを 出版:バジリコ
上の本に比べたら、ぐっとくだけた作品です。世界中の実在する珍奇な生物を集め、見開きの左側に生物の説明、右側にイラストといった構成になってます。
さて、どんな珍奇な生物がいるか。
例えば、深海で大口を開けて笑っているがごとくのホヤ。
例えば、動物から血を吸って、風船みたいな姿になるダニ。
例えば、映画「エイリアン」のモデルになっているとしか思えない魚。
例えば、進化論に真っ向から歯向かうかのように、頭からにょっきり無意味なこぶを生やしたセミ。
薬でキメちゃった輩にしか見えることがなさそうなこんな生き物が世の中にはいるらしいです。
もちろんこれは全体のほんの一部。60以上もの珍妙な生物が描写されています。
先に紹介した本の中の生物は、可能性のあるものとは言え、極端な話、想像の産物です。しかし、この本におさめられている生物は、すべて実在するもの。実物をあまり見たくはないやつらが目白押しです。
あと、この本で面白いのは、著者のちょっとブラックな生き物の説明文。紹介されている生き物の中には、プラナリアやラッコなど、私たちがすでに知っている生物もいますが、この著者の筆にかかれば面白ブラックな新たな生物に見えてきます。
学術的な面白さではなく、娯楽的な要素が強いですが、その分上の本よりは万人受けすると思います。
どちらの本も出版されてしばらくたっているのでご存知の方も多いかと思いますが、知らなかった方、あるいは知っててもなんとなく手を出してこなかった方、この機会に手にとってみたらどうでしょうか。
出版社からの回し者ではありません。山田でした。
1. the FUTURE is WILD ~脅威の進化を遂げた2億年後の生命世界 /著:ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス 出版:ダイヤモンド社
この本は、第一線で活躍する科学者たちが仮説に仮説を重ねて、これからの地球の環境の変化、それに伴う進化の一例をシミュレートし、500万年、1億年、2億年の時代ごとに、奇妙奇天烈に進化した生物たちをCGで描いたものです。
まず表紙からしてインパクト大ですよ。魚とも鳥ともつかない巨大でグロテスクな生物が海面から飛び立とうとしている絵ですから。
他にも本の中には、草原に生きる人間によく似た顔を持つサル、水中を泳ぐアザラシ大のウミウシ、地上に進出したタコ、史上最大の陸生動物となったカメ、地球上でもっとも頭のいい生物となったイカなどがいます(もちろん他にも多様な生物が描かれています)。
驚くべきは、これらのへんちくりんな、それこそ夢に出てきそうな、あるいは夢に出てきたら精神病を疑われかねないような生物たちが、一流の科学者たちによる生物進化の仮説から導き出されているということです。つまり、いかに馬鹿らしく思えるような姿かたち、生態などにも、合理的な説明がなされているのです。
無論のこと、これはあくまでシミュレーションの一例。バタフライ効果、カオス理論を挙げるでもなく、進化の方向性なんてなにで決まるかわかったものじゃありません。ある種の知的ゲームに近いものがありますが、生物関係に興味のある方にはとても面白い本だと思います。また、専門的な知識がなくても脚注がふんだんに使われているので、そのつど知識を固めながら読み進めていくことができます。
自分が決して見ることができない未来の世界を擬似的にでも見せてくれるこの本は、想像力ががしがし膨らんでいきますよ。ハードカバーでちょっと値が張りますが(ちなみに2400円)、それだけの価値はあると思います。興味を持って立ち読みしたら、ほしくなること請け合いです。
2. へんないきもの /著:早川いくを 出版:バジリコ
上の本に比べたら、ぐっとくだけた作品です。世界中の実在する珍奇な生物を集め、見開きの左側に生物の説明、右側にイラストといった構成になってます。
さて、どんな珍奇な生物がいるか。
例えば、深海で大口を開けて笑っているがごとくのホヤ。
例えば、動物から血を吸って、風船みたいな姿になるダニ。
例えば、映画「エイリアン」のモデルになっているとしか思えない魚。
例えば、進化論に真っ向から歯向かうかのように、頭からにょっきり無意味なこぶを生やしたセミ。
薬でキメちゃった輩にしか見えることがなさそうなこんな生き物が世の中にはいるらしいです。
もちろんこれは全体のほんの一部。60以上もの珍妙な生物が描写されています。
先に紹介した本の中の生物は、可能性のあるものとは言え、極端な話、想像の産物です。しかし、この本におさめられている生物は、すべて実在するもの。実物をあまり見たくはないやつらが目白押しです。
あと、この本で面白いのは、著者のちょっとブラックな生き物の説明文。紹介されている生き物の中には、プラナリアやラッコなど、私たちがすでに知っている生物もいますが、この著者の筆にかかれば面白ブラックな新たな生物に見えてきます。
学術的な面白さではなく、娯楽的な要素が強いですが、その分上の本よりは万人受けすると思います。
どちらの本も出版されてしばらくたっているのでご存知の方も多いかと思いますが、知らなかった方、あるいは知っててもなんとなく手を出してこなかった方、この機会に手にとってみたらどうでしょうか。
出版社からの回し者ではありません。山田でした。
by yamada-07
| 2005-04-22 02:21
| 青春の一ページ